(はやかわ たかひろ)
1979年山形県天童市出身。
■作品歴: 「可畏キモノ」(04)「KASHIKOKIMONO」(04)「阿吽二字」(05)
「雲散霧消」(06)他、国内外での受賞、上映会多数
■仕事歴:「ユナイテッド・シネマ サウンドロゴ映像」(05)/「NTT DoCoMo
壁紙」(05)「AXNロゴ映像」(06)他
http://www.iamas.ac.jp/‾haya-02/

常設プログラム
「KASHIKOKIMONO」(8分50秒/2004年)
「animation」(アニメーション)と「animism」(精霊崇拝)の語源は共に「anima」(生命; 魂)であり、この 3語による三角形の中間に位置する映像作品として本作品を制作した。ここで言う「animism」は日 本の古代宗教であり、「八百万の神々」である。題名の 「KASHIKOKIMONO」=「可畏キモノ」(かしこきもの)は、柳田国男が日本の八百万の神々を定義するために作った言葉である。
その神々(=anima)の連なりこそが森羅万象そのものである、 というイメージをもとに本作品は創られている。
「阿吽二字」(3分30秒/2005年)
阿吽二字<アウンニジ>
阿は最初の字音、吽は最後の字音。
この二字で最初と最後を表す。
密教ではこれを一切の原初と窮極を象徴するものとして阿を万有が発生する理念の本体、吽をそれが帰着する知徳を意味するものとする。

早川貴泰 個展プログラム 6/10(日)
上映内容:
「KASHIKOKIMONO」8min45sec/2004
「阿吽二字」3min30sec/2005
 +α

「可畏キモノ」(KASHIKOKIMONO )以後の、アニメーションによ りアニメーションを生成する、という独自の技法を用いた、一連の作品群は、「もじゃにめーしょん」と定義致しました。
その「もじゃにめーしょん」の意味・意義とそこに至る過程、その中での「KASHIKOKIMONO」「阿吽二字」の位置づけ、加えてカフェ アンデパンダンで展示中の、ビデオインスタレーション作品デジタルタブロー「えん」について 説明させていただきます。
さらに早川貴泰が考えるアニメーション表現の可能性についてお話できればと思います。


早川貴泰

早川貴泰 個展(新作インスタレーション)
5/20〜6/30 会場:カフェアンデパンダン(1928ビル B1)
デジタルタブロー「えん」

デジタルタブロー は、動画(コンテンツ)と表示装置・再生機 器(ハードウェア)を含む作品であり、 早川貴泰アニメーション作品のための独自の展示・表示フォーマットで ある。またそれは、作家が選択した画面(キャンバス)の大きさ・解像度を前提として、映 像作品を制作・展示するという試み、としての映像インスタレーション作品である。
映像作品はその上映環境や状況・機材に合わせ、画面の大きさや解像度 を作家の意図とは別に変更されてしまう危険性を持っている。
それに対し、映像作品にはそれぞれ適切なサイズと解像度が存在し、そ れを固定した状態で再生可能にするべきである(つまり作家が意図した解像度とサイズのみで上映するのがよいと考え、そのために作家が決めた解像度とサイズを固定した状態で作品化す る)、というのがデジタルタブローの立場である。
また、デジタルタブロー コンテンツである「えん」は、手描き アニメーションをコンピュータにより増幅する、高精細・ループ・アニメーションである。全ては7種類のループの手描 きアニメーションの組み合わせのみでできており、小さなループの集積により大きなループを創るという構成である。また 本コンテンツにはより高精細の解像度が必要と考え1920×1080pixel の解像度を選択している。

Copyright(C)Japanese surface tension.2007.